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20周年記念誌 |
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愛知県透析医会20周年に想う |
金山クリニック 院長 |
伊與田 辰一郎 |
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愛知県透析医会20周年に想う
金山クリニック 院長 伊與田 辰一郎
私が透析医療に携わって丁度20年になる。当時愛知県の腎疾患医療は日本はおろか国際的にも
最先端のレベルであり、数多くの医学的かつ医療面での業績が積まれていた。
新しい分野を開拓する時代の常であろうが透析医会の方々は個性豊かでさながら群雄割拠の
様相であった。とりわけ直接御指導を頂いた後に日本透析医会の副会長を務められた
故太田裕祥先生の思い出は深い。
10年程前患者さんの会である愛腎協の執行部と金山クリニックに通院中の一人の患者さんとの
間で会の運営上の事で厳しい対立が生じ裁判にも成りかねない経緯となった。
困り果てた私は裕祥先生に仲介して下さる様お願いに行った。その患者さんについて説明をしようと
した時先生は「初対面の人と話をする時は丸腰で向うのが礼儀であり余分な予備知識は要らぬ。」
とおっしゃり、その後の会談で見事に解決して下さった。流石と思った一件である。
先生のお弟子さんには、現東海大学内科教授の斉藤明先生、名古屋大学泌尿器科教授の
大島伸一先生、中京病院透析療法科部長の天野泉先生、私共新生会グループ創立者の
太田和宏等が居られるが、今日の立派な御活躍も裕祥先生の御陰があったからこそと思う。
さて一方これからの腎疾患医療を展望すると数々の難題が山積している。
この20年間で社会状況は急速に変化し医療も聖域では無くなった。先づ医療経済の逼迫は
超高齢化時代と相俟って緊急に解決を要する問題である。
又患者さんの人権を最優先する「インフォームドコンセント」の実施の重要性Evidence based
Medicine等々医療側の自己満足では無く、患者さんにとって納得の出来る医療の提供が
不可欠である。
そのためには皆の知恵と努力を結集して新しい医療のシステムを構築して行かねばならない。
現役の医療者としては残り少ない年令となりもう一頑張りしようと思う今日此頃である。 |
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